○向日市公共調達基本条例

平成30年3月23日

条例第1号

向日市の公共調達は、市民の皆様や事業者からの税金などを原資としていることから、限られた財源を効率的に活用し適正な価格で実施されなければなりません。

そのため、市は、公共調達の発注者として、「公正性、公平性、透明性の確保」、「品質の確保と適正な履行」、「地域経済への配慮」、「適正な労働環境の確保」など、バランスの取れた入札契約制度を構築することで、公共調達に求められる様々な社会的課題に応えていく必要があります。

この公共調達基本条例は、そうした観点から、向日市における公共調達の基本理念とともに、発注者として取り組む内容などを、市民の皆様に示すものです。

今後、市は、この条例の目的が将来に渡つて達成できるよう、社会経済情勢の変化に対応して、柔軟に、かつ、迅速に見直ししていくこととします。

(目的)

第1条 この条例は、公共調達に係る基本的な事項を定め、市及び事業者等の責務を明らかにし、公共調達に関する施策を推進するとともに、地域経済及び地域社会の健全な発展を図り、もつて市民の福祉の増進に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 公共調達 予算に基づき市が行う工事、役務、物件等の調達をいう。

(2) 事業者 市と契約を締結し、又は締結しようとする者をいう。

(3) 下請負人 事業者その他市以外の者から公共調達に係る業務の一部を請け負う者をいう。

(4) 事業者等 事業者及び下請負人をいう。

(5) 労働者 次のいずれかに該当する者をいう。

 労働基準法(昭和22年法律第49号)第9条に規定する労働者であつて、事業者等に雇用され、公共調達に係る業務に従事するもの。ただし、同居の親族のみを使用する事業又は事務所に雇用される者を除く。

 自らが提供する労務の対価を得るため、事業者等から公共調達に係る業務を請け負う者

(6) 市内中小企業 中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条第1項各号のいずれかに該当するものであつて、本市の区域内に本店又は主たる事務所を有するものをいう。

(7) 社会的課題 環境保全、男女共同参画社会の形成、障がい者等の就業機会の確保、仕事と生活の調和、地域コミュニティの維持及び発展その他の社会における各般の課題をいう。

(基本理念)

第3条 公共調達に係る基本理念は、次のとおりとする。

(1) 地域経済の活性化及び雇用の創出を図るため、市内中小企業の受注等の機会の推進に努めること。

(2) 公共調達に従事する労働者の適正な労働環境の確保に努めること。

(3) 公共調達の適正な履行の確保に努めること。

(4) 公共調達の公正性、公平性及び透明性並びに競争性の確保に努めること。

(5) 公共調達を通じた社会的課題の解決に資する取組の推進に努めること。

(市の責務)

第4条 市は、基本理念にのつとり、公共調達に関する施策を推進しなければならない。

(事業者等の責務)

第5条 事業者等は、基本理念にのつとり、公共調達の当事者としての社会的課題を自覚し、契約の適正な履行に努めなければならない。

2 事業者等は、労働基準法、最低賃金法(昭和34年法律第137号)その他の関係法令を遵守し、労働者の適正な賃金や労働環境の確保に努めなければならない。

(適切な価格の積算)

第6条 市は、予定価格を定める際には、市場価格、労務単価など社会経済情勢を考慮し、適切に算出するものとする。

2 事業者は、申込みに係る価格の算出の際には、契約の履行に当たり必要な労務費その他の経費を適切に積算し、労働者や下請負人へのしわ寄せが生じないよう努めなければならない。

(適切な契約の締結)

第7条 市は、経済性に配慮しつつ、適正な履行が見込まれない金額での契約の締結を防止するとともに、価格以外の多様な要素をも考慮することにより、適切な契約を締結するよう努めなければならない。

(発注の平準化等)

第8条 市は、特定の時期に集中しないよう計画的に発注を行うとともに、適切な契約期間を設定するよう努めなければならない。

(市内事業者の受注等の確保)

第9条 市は、地域経済の健全な発展に配慮し、市内に主たる事務所又は事業所を有する事業者(次項において「市内事業者」という。)の受注の機会を確保するよう努めなければならない。

2 事業者等は、下請負人を選定し、又は資材等を調達するときは、地域経済の健全な発展に配慮し、市内事業者を活用するよう努めなければならない。

(下請負人との契約)

第10条 事業者等は、建設業法(昭和24年法律第100号)、下請代金支払遅延等防止法(昭和31年法律第120号)その他の関係法令を遵守するとともに、市と契約を締結するに当たつては、当事者間の対等な立場における合意に基づいて公正な契約を締結するよう努めなければならない。

(指定管理者の選定等)

第11条 市は、公の施設の管理を指定管理者(地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者をいう。)に行わせようとするときは、この条例の趣旨を踏まえ、その選定等を行うものとする。

この条例は、平成30年4月1日から施行する。

向日市公共調達基本条例

平成30年3月23日 条例第1号

(平成30年4月1日施行)