更新日:2015年12月9日
今から150年以上も前のこと。浪速の国、いまの大阪で突如、火事が起こりました。
火は折からの強風にあおられ、火の気はどんどん広がるばかりです。ひたすら火が消えるのを神に祈るのみといった状態です。
そのとき、まちの古老が夢まくらに神のお告げを聞いたのです。
「西の岡、向日神社に霊験あらたかな井戸がある。その水をかけると火事はたちまちにして消える」と。
さっそく、浪速から1斗だるを積んだ早かごが乙訓の里にやってきて、お告げの場所を探すと向日神社境内の奥に井戸がありました。
その水を汲み上げ、持ち帰って燃えさかる火に振りかけたところ、たちまち、火は衰え、ついに消えたそうです。
その時の井戸が増井の井戸です。
当時、そのお礼にと井戸の近くに石の鳥居を設けたそうです。
鳥居には「天保、加嶋屋藤十郎、、、」などと刻まれ、現在も残っています