○向日市職員の公正な職務の執行の確保に関する条例
令和3年7月7日
条例第16号
(目的)
第1条 この条例は、職員の職務の執行に関する不当要求行為等に対し適正に対処するため、不当要求行為等がなされた場合の対応等に関し必要な事項を定めることにより、職員の公正な職務の執行を確保することを目的とする。
(1) 執行機関等 市長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、公平委員会、農業委員会、固定資産評価審査委員会及び議会事務局長をいう。
(2) 職員 執行機関等の地位にある者及びこれを補助する職員をいう。
(3) 所属長等 当該職員の上司のうち課長以上の役職の者をいう。
(4) 公職者 次に掲げる者及びその秘書その他次に掲げる者の活動を補佐する者をいう。
ア 国会議員及び地方公共団体の議会の議員
イ 他の地方公共団体の長
(5) 要望等 職員に対して行われる本市の業務に関する要望、請求、要請その他名称のいかんを問わず職員の作為又は不作為を求める一切の行為(職員が職務として行うものを除く。)をいう。
(6) 不当要求行為等 要望等のうち公正な職務の執行を損ない、又は損なうおそれがある次に掲げる行為をいう。
ア 市が行う全ての行為に対し、正当な理由なく特定の個人又は法人その他の団体に対し有利又は不利な取扱いを要求する行為
イ 市が行う全ての行為に対し、正当な理由なく職務の執行を妨害し、又は遅延させることを目的に行われる行為
ウ 職員の採用その他の人事に関し、正当な理由なく特定の処分その他の行為を要求する行為
エ 職員に対し、正当な理由なく職務上知り得た情報の提供を求める行為
オ 暴力又は乱暴な言動その他の社会的相当性を逸脱する手段による要望等をする行為
(執行機関等の責務)
第3条 執行機関等は、不当要求行為等に対して適切な措置を講じるとともに、公正な職務の執行を確保するために必要な体制を整備しなければならない。
(職員の責務)
第4条 職員は、常に法令等を遵守し、公正な職務の執行に当たらなければならない。
2 職員は、要望等の内容を誠実に受け止め、適切に対応しなければならない。
3 職員は、不当要求行為等があつたときは、これを拒否しなければならない。この場合において、当該不当要求行為等が明らかに違法と認められる場合又は職員その他の者に危険が及ぶと危惧される場合には、所属長等の指示又は職員自らの判断により複数人で対応するとともに、警察への通報その他の必要な措置を講じるものとする。
(市民等の責務)
第5条 市民、事業者、公職者その他要望等を行おうとするものは、不当要求行為等により職員の公正な職務の執行を妨げないようにしなければならない。
(不当要求行為等審査会)
第6条 不当要求行為等に適切に対処し、公正な職務の執行を確保するため、不当要求行為等審査会(以下「審査会」という。)を設置する。
2 審査会は、この条例の規定によりその権限に属することとされた事項を処理するほか、次に掲げる事項を所掌する。
(1) 市長の諮問に応じ、法令遵守体制の整備に関して調査し、又は審査するとともに、市長に意見を述べること。
(2) その他法令遵守の推進を図ること。
3 審査会は、委員6人以内で組織する。
4 委員は、学識経験者その他法令等又は行政事務に関し専門的知識を有する者のうちから、市長が委嘱又は任命する。
5 委員の任期は、2年とし、再任されることを妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
6 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
7 この条例に定めるもののほか、審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(不当要求行為等対策委員会)
第7条 本市における不当要求行為等を未然に防止するとともに、市として統一的な対応方針等を定めることにより、市民及び職員の安全と公務の適正かつ円滑な執行を確保するため、不当要求行為等対策委員会(以下「対策委員会」という。)を設置する。
2 対策委員会は、次に掲げる事項を所掌する。
(1) 第10条の規定による報告があつた場合の対応方針及び事後措置の検討
(2) 第11条に規定する審査会への通知
(3) 不当要求行為等に関する研修の実施
3 この条例に定めるもののほか、対策委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(書面の所属長等への提出)
第8条 職員は、要望等が書面(電子的方式、磁気的方式等で作られた記録を含み、申請に係る書面を除く。以下同じ。)によりなされた場合の当該書面又はその写しを、速やかに所属長等に提出しなければならない。
(書面以外の方法により要望等を受けた場合の記録)
第9条 職員は、書面以外の方法により要望等を受けたときは、速やかにその内容を書面により記録し、所属長等に提出しなければならない。ただし、要望等に対する対応が継続するものではなく、改めて対応する必要がない場合(要望等が不当要求行為等に該当する場合を除く。)はこの限りではない。
(対策委員会への報告)
第10条 前2条の規定による提出を受けた所属長等は、直ちに職員の公正な職務の執行を確保するために必要な措置を講じなければならない。
2 所属長等は、不当要求行為等及び職務の執行に重大な支障が生じる要望等については、速やかに対策委員会に報告しなければならない。
3 所属長等は、要望等が不当要求行為等であるか否かを判断するに当たつては、その内容のみによることなく、行為の威嚇的、威圧的等の態様及び頻度を考慮するものとする。
(審査会の任務)
第12条 審査会は、対策委員会から前条の規定による通知があつた場合において、当該通知の内容が公正な職務の執行に重大な支障を及ぼすと認めるときは、速やかに必要な調査を行うものとする。
2 審査会は、前項の規定による調査の結果を、対策委員会及び執行機関等に報告しなければならない。
3 審査会は、前項の規定により調査結果の報告を行うときは、執行機関等が行うべき措置について、意見を述べることができる。
(不当要求行為等の行為者への措置)
第13条 執行機関等は、前条第2項の規定による審査会の報告を受けたときは、当該報告に基づいて、不当要求行為等の行為者に対して文書で警告を行うことができる。
2 執行機関等は、前項の警告を行う場合において、不当要求行為等の再発を防止するために必要と認めるときは、不当要求行為等の行為者の氏名、警告の内容その他の事項を公表することができる。
3 執行機関等は、前項の規定による公表をしようとするときは、不当要求行為等の行為者に対し、あらかじめ公表をする旨及びこれに対し弁明のための意見書を提出することができる旨を通知しなければならない。
(職員の保護)
第14条 執行機関等は、職員が不当要求行為等を拒否したことにより、不当要求行為等の行為者から不当な権利侵害を受けることのないよう必要な配慮をするとともに、当該職員の公正な職務の執行を確保するため、権利侵害を受けた職員に対し、必要な援助、保護等の措置を講ずるものとする。
(委任)
第16条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
1 この条例は、公布の日から施行する。
(向日市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)
2 向日市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和37年条例第6号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略