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小中学生読書感想文「心に残った一冊の本」市長賞2

更新日:2015年12月9日

森は呼んでいる

寺戸中学校1年 杉野 帆乃加

 みなさんはこの本の題名、「森は呼んでいる」で何を思い浮かべますか。誰に何を伝えようとしているのか、またどのようなメッセージを私たちに語りかけようとしているのか、考えるときりがありません。しかし、全ての本にいえること、それは、題名だけでその本の内容が分かることなどないということです。「森は呼んでいる」も、もちろん題名だけでは内容は把握できません。ですが、分からないからこそ、その本に興味がわくのだと私は思います。「森は呼んでいる」は自然と人間が関係しています。自然の声を聞き、自然について深く考えるきっかけになればと思い、この本を選びました。
 主人公、北沢森人の家は、岩手県の室根村の山奥で養魚場をやっています。まぼろしの魚といわれるイワナとヤマメという魚をそだてているのです。しかし、川の上流の森が切られてしまったせいで、山も川も荒れてきてしまいました。カジカや天然のイワナ、ヤマメはいなくなってしまい、暮らしていけなくなった友達の一家は離村していくことになるのです。そんなある日、その大川の流れこむ気仙沼湾でカキの養殖をしている水口さんが、娘のはるみという女の子といっしょにやって来ました。やせてきた海をよみがえらせるために、山に木を植えたい、というのです。森と川と海を結んで自然の回復をはかろうとする人々の姿を、五年生の森人の目を通して描く作品となっています。
 最初に感じたこと、それは森と川、そして海、すべてがつながってはじめて自然が成り立っているんだなということです。当たり前のことですが、その一つが欠けても自然は壊れていってしまいます。今、人間の都合だけで木を切ったり、海をうめ立てたり、ダムを造ったりしていますが、でも、その全てが本当に必要なのだろうかと思います。
 自然はだまっていますが、もし話すことができれば、私たちにどんなメッセージを伝えてくれるだろうと考えました。地球温暖化や異常気象も、話すことのない自然からの大きなメッセージとして受け止め、自分達にできることは何かをもう一度考え、行動していかなければならないと感じます。
 文中の中で「人間は自然の恵みを受けて生きているんだ。自然に生かされているんだぞ。」という一節がありました。この文章を読んだ時、上手く言葉に表現できませんが、何か深く心に響き、感謝することの大切さを教えられたような気がします。日々忙しさの中で、つい忘れてしまいがちな感謝の心。実はその心を持つことがとても大事なことなのだと、あらためて気付かされました。
 自然破壊、環境破壊など、開発につぐ開発で、せっかくの緑や豊かな自然をおしげもなく破壊して省みず、経済的には大国になっても、心は何だかすっかりすさんでしまうような気がします。大きな自然から見れば、人間もやっぱりその中の一個の生物にすぎないので、この辺のことを忘れ、いい気になっていると、いつか必ず何かの形で、しっぺ返しをくう時が来ると思います。
 また、「森は海の恋人」というフレーズがでてきます。このフレーズを目にした時、思ったこと、それは、私たち人間が手を取り合って協力していけば、どちらも片思いになることはないし、相思相愛になるという事です。
 大切なのは、自然と共に生きること。つまり自然と共存していくということです。
 森の呼ぶ声、自然のさけび声に耳をかたむけ、自分の命を大事にするのと同じように自然を大事にし、今生かされているこの時代だけでなく、未来永遠にこの豊かな自然が続いていくよう祈るとともに、そして、森と川と海がつながっているように、いつかは人間の心もつながるようにと願っています。

読んだ本

森は呼んでいる

著者

及川 和男

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