更新日:2016年3月10日
向日市は、昭和30年から40年代の高度経済成長期において、大阪・京都のベッドタウンとして急速に開発が進んだため、幹線道路などの都市基盤整備が開発スピードに追いつかないまま宅地化が進行し、その結果、市内各所に密集市街地が形成されました。
現在でも、都市計画道路の整備率は、概成区間も含めて約28%と極めて低い状況であり、本市のまちづくりにおける最大の課題となっています。
この都市計画道路網は、昭和40年代に決定されたものでありますが、その後、全市的な見直しは行われていない状況です。この間、都市構造が大きく変化するとともに、北部におけるプロジェクトの進展や、環境保全に対する市民意識の高まりなど、都市計画決定以降の社会情勢が様々な面で変化してきており、これらの変化に適切に対応したいと考えています。市では、向日市都市計画審議会のご意見などを踏まえ、道路網を検証し、将来を見据えた「都市計画道路見直しネットワーク構想案」をまとめました。
番号 | 街路名称 | 起点 | 終点 |
幅員 (メートル) |
延長 (メートル) |
向日市域延長 (メートル) |
整備済延長 (メートル) |
概成済延長 (メートル) |
整備率 (パーセント) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 伏見向日町線 |
京都市伏見区 桃山筒井伊賀東町 |
京都市西京区 大原野上里南町 |
32 | 約8,720 | 約1,880 | 0 | 0 | 0 |
2 | 京都神戸線 |
京都市南区 吉祥院九条町 |
乙訓郡大山崎町 字大山崎小字藤井 |
18 | 約11,220 | 約2,260 | 2,260 | - | 100.0 |
3 | 久世北茶屋線 |
京都市南区 久世上久世町 |
京都市西京区 大原野北春日町 |
22 | 約5,540 | 約1,760 | 1,760 | - | 100.0 |
4 |
向日町停車場 塚原線 |
向日市 寺戸町久々相 |
京都市西京区 大枝沓掛町 |
25 | 約5,540 | 約1,750 | 0 | 0 | 0 |
5 | 外環状線 |
京都市山科区 竹鼻竹ノ街道町 |
京都市西京区 山田中吉見町 |
22 | 約22,700 | 約3,420 | 1,160 | 0 | 33.9 |
6 | 牛ヶ瀬勝龍寺線 |
京都市西京区 牛ヶ瀬堂田町 |
長岡京市 勝龍寺二ノ坪 |
16 | 約6,860 | 約2,850 | 0 | 654 | 22.9 |
7 | 桂馬場線 |
京都市西京区 川島莚田町 |
長岡京市 馬場 |
16 | 約5,140 | 約4,160 | 0 | 0 | 0 |
8 | 御陵山崎線 |
京都市西京区 北山下町 |
乙訓郡大山崎町 字円明寺小字佃 |
15 | 約9,670 | 約3,860 | 70 | 780 | 22.0 |
9 |
西向日町停車場 鶏冠井線 |
向日市 上植野町南開 |
向日市 鶏冠井町清水 |
16 | 約1,130 | 約1,130 | 0 | 0 | 0 |
10 |
西向日町停車場 長法寺線 |
向日市 上植野町南開 |
長岡京市 粟生長通 |
18 | 約2,000 | 約340 | 0 | 0 | 0 |
11 | 向日町上鳥羽線 |
京都市南区 久世殿城町 |
京都市南区 上鳥羽大溝 |
22 | 約3,650 | 駅広のみ | - | - | - |
合計 | 約23,410 | 5,250 | 1,434 | 28.6 |
見直しにあたっては、3つの基本理念に基づいて行っています。
実現可能な設計図とすること
都市計画道路網の早期整備を目指すこと
まちづくり計画との整合を再構築すること
向日市域全ての都市計画道路について、「存続を検討する路線」、「追加を検討する路線」、「変更を検討する路線」を基本に見直しの検討を行い、ネットワーク構想案としてまとめました。
内容 | 路線・区間数 |
検討延長 (メートル) |
図面(ネットワーク構想案)番号 |
---|---|---|---|
存続を検討する路線 | 7路線 | 13,370 | 1、6、7、8、9、10、11の黒色 |
追加を検討する路線 | 1路線 | 1,060 | 15の赤色 |
変更を検討する代替路線 | 3路線 | 1,420 | 12、13、14の緑色 |
変更を検討する関係機関調整区間 | 2区間 | 3,250 | 4、5の茶色 |
変更を検討する廃止区間 | 2区間 | 1,620 | 4、7の黄色 |
伏見向日町線(番号1)
この路線は、京都市伏見区桃山から西京区大原野を結び、市域を東西に横断する都市計画上重要な路線で、存続を考えています。
なお、JRの横断や既設道路との接続について技術的な課題が残されています。
牛ヶ瀬勝龍寺線(番号6)
この路線は、京都市西京区牛ヶ瀬から長岡京市勝龍寺を結ぶ市域東側の幹線道路で、JR向日町駅東口に計画されている駅前広場へのアクセス道路でもあることから、重要な路線で存続を考えています。
なお、既存ストックの有効活用を図りつつ、一部区間について線形などの見直しを検討しています。
御陵山崎線(番号8)
この路線は、京都市西京区御陵から大山崎町円明寺を結び、市域を南北に縦断する重要な幹線道路で、存続を考えています。
なお、一部概成済の区間もあり、既存ストックの有効活用が図られるものです。
西向日町停車場鶏冠井線(番号9)
この路線は、国道171号から阪急西向日駅に向かうアクセス機能を有した路線で、代替の路線もないことから存続を考えています。
西向日町停車場長法寺線(番号10)
この路線も、長岡京市長法寺から阪急西向日駅に向かうアクセス機能を有した路線で、代替の路線もないことから存続を考えています。
向日町上鳥羽線(番号11)
この路線は、京都市南区上鳥羽から国道1号、更に国道171号を経て、JR向日町駅東口を結ぶ重要な路線であることから、存続を考えています。
なお、JR向日町駅東口の駅前広場について、規模などを検討をしています。
府道向日町停車場線(番号15)
この路線は、市役所・福祉会館・向日町競輪場などの集まる市民文化拠点から、阪急東向日駅を経て、JR向日町駅(都市拠点)へ、アクセスする市内でも主要な路線として、市の総合計画や都市計画マスタープランで「都市軸」として位置づけており、市域の最重点整備路線として、府・市協調して事業に取り組んでいるところです。
今回、都市計画道路として位置づけることにより、計画的なまちづくりを行っていこうとするものです。
向日町停車場塚原線(番号4)
この路線は、京都市西京区大枝から洛西ニュータウンを経て、JR向日町駅に向かうアクセス機能を有した路線ですが、新たに府道向日町停車場線を都市計画道路に追加することにより、御陵山崎線(府道西京高槻線)からJR向日町駅間の代替路線が確保できるため、区間(黄色(4番)の破線)の廃止を考えています。
また、茶色(4番)の実線区間の京都市境から御陵山崎線までの代替路線がない区間を今後も関係機関との協議を継続する区間としています。
外環状線(番号5)
この路線は、京都市山科区の国道1号から京都市南部を半環状に結び、本市や長岡京市を経て、京都市西京区の国道9号に至る広域的に重要な路線です。このうち第2工区(寺戸町芝山から物集女町中海道)については、昭和47年に事業着手しました。
しかし、優れた環境を有する西ノ岡丘陵を通過するルートで計画されていましたので、市民による環境保全の問題が提起されました。
その結果、平成15年に「向日市西ノ岡丘陵の外環第2工区の廃止または凍結についての請願」が向日市議会において採択され、平成16年には京都府公共事業評価審査委員会の審議結果を受け、京都府は事業中止を決定され、都市計画事業としての国の事業認可も「廃止」されることとなったところです。この路線の、茶色(5番)の実線区間については、代替路線のルートや隣接市にも大きな影響があることから、今後も協議を継続する区間としているところです。 桂
馬場線(番号7)
本路線は、京都市西京区川島から阪急洛西口駅を経て、向日町停車場線、伏見向日町線と交差し、長岡京市馬場へ至る道路です。
桂馬場線から東に向かう寺戸幹線1号(永田通り)や西国跨線橋南側交差点からJR向日町駅に向かう府道上久世石見上里線、市道寺戸森本幹線1号については、駅周辺の重要な路線で、既に整備中または近い将来整備を予定しており、これらを代替路線(緑色(12番、13番、14番)の破線)とすることにより、洛西口駅から伏見向日町線までの区間についての早期整備を目指すもので、代替路線のある区間(黄色(7番)の破線)を廃止と考えています。
なお、代替として検討する3路線(緑色の破線)は、いずれも、JR向日町駅へアクセスする重要な路線です。
市道寺戸幹線1号(番号12)
代替路とする区間は、阪急新田上手踏切東側から西国跨線橋南側交差点までの約470メートルの区間です。
現在、この区間は、道路整備事業を実施中であり、既存ストックを有効に活用できるものと考えています。府
道上久世石見上里線(番号13)
代替路とする区間は、西国跨線橋南側交差点からJR向日町駅までの延長約250メートルの区間です。この区間におきましても、既存ストックの利用と事業の早期実現を図れるものと考えています。市
道寺戸森本幹線1号(番号14)
代替路とする区間は、向日町停車場線(深田川橋公園南側)から伏見向日町線との交差点(前田地下道西側)までの延長約700メートルの区間です。
この区間も既に道路整備事業を実施中であり、事業の早期実現を図れるものと考えています。
の2路線については、すでに事業が完了しています。
用語 | 説明 |
---|---|
都市計画道路 |
都市計画道路は、法律(都市計画法)に基づいて、あらかじめルート・幅員などを決めた、都市の骨格で、まちづくりに大きく関わる道路のことであり、都市の将来像を踏まえて計画されています。 都市計画道路は、大規模な道路が多く、整備費用も多額になることから、計画を立てすぐに事業化することは難しく、優先度が高いものから計画的、効率的に整備していく必要があります。 そのため、都市計画道路が計画されている場所では、将来的に道路整備が円滑に進むように、建物の建築に際して、一定の制限がかかっています。 |
整備率 | (整備済延長+概成済延長)/向日市域延長 |
概成区間 | 計画幅員の3分の2以上の整備が完了した区域 |
都市計画審議会 | 都市計画審議会は、市が都市計画を定めるときに、法律(都市計画法)に基づき都市計画案を調査審議する機関です。都市計画は都市の将来を決定するものであり、市民の生活に大きな影響を及ぼします。このため、都市計画を定めるときは、行政機関だけで判断するのではなく、学識経験者や議会の議員、関係する府の機関、市民の代表などから構成される審議会の調査審議を経て決定することとなっています。 |
総合計画 | 総合計画は、法律(地方自治法)の規定に基づき、市町村が定める総合的かつ計画的な行政の運営を図るための計画です。 |
都市計画マスタープラン | 都市計画マスタープランは、法律(都市計画法)に基づき市町村が定める「都市計画に関する基本的な方針」で、都市計画の整備目標と方針を示しています。 |
都市軸 | 都市の中核機能を担う道路のことで、本市では、JR向日町駅から阪急東向日、市役所周辺をつなぐ沿道地域を都市軸としています。 |
京都府公共事業評価審査委員会 | 京都府が実施する公共事業の事前評価、再評価及び事後評価について審査するために設置されたものです。 |
事業認可 | 国や府などの事業認可権者が都市計画の事業者に対し、具体的な事業実施の申し出に対して与える認可のことで、事業施工期間や施工区域を定めて受けることができます。 |