中小路家住宅

更新日:2018年6月30日

概要

中小路家住宅主屋など

 中小路家は、江戸時代中期頃から続く総名主を務めた旧家です。屋敷の正面(東面)は西国街道に面しており、土蔵造りの穀蔵、長屋門、板塀、小屋が並び立ち、前庭を介して瓦葺の主屋が屋敷中央にあり、周囲の民家とともに往時の家なみを良く残しています。当家の主屋の建築年代は、弘化5年(1848年)正月の記述のある普請願に大破のため建て替えたとあり、規模や間取りが一致することから、この時の再建であることが明らかです。明治15年(1925年)の地券に「一本家 桁行五間半梁行三間半、一土蔵 桁行二間梁行二間、一土蔵 桁行二間梁行一間半、一小屋 桁行三間梁行二間、一物置 桁行二間梁間一間余」の記載があり、それぞれ主屋、内蔵、外蔵、離れ、小屋に相当します。外蔵以外は、現在も残っています。大正14年(1925年)4月新調の家相図は、現在の屋敷状況とほぼ一致しています。

 内蔵は、主屋の西に隣接して建つ二階建て土蔵です。南側に蔵前を設け、主屋から利用されています。桁行3.9メートル、梁間4.2メートル。外壁は漆喰(しっくい)仕上げとして腰板を高く張り、内部壁は板張りです。

 離れと内門は、主屋の東南に建ちます。切妻造桟瓦葺で北面に庇を設け居室として利用されています。主屋との間に内門と呼ばれる庇を連続して、西面を開放し、街道側の東面を漆喰壁とし潜(くぐ)り門を設けています。

 穀蔵は、西国街道沿いに面し、南北棟の切妻造桟瓦葺の二階建て土蔵です。桁行9.0メートル、梁間3.9メートルで、内部は桁行で二分され南を小屋、北を米蔵とされます。外壁は軒先まで漆喰壁を塗り籠め、腰板張りとし、街道に面して意匠を変えた窓が並べられています。

 長屋門は、西国街道に面して穀蔵の北側に並び立ち、主屋のやや南側に位置します。桁行4.7メートル、梁間2.2メートル、南側に潜戸付の両開きの重厚な板扉を門口とし、北側に二畳の部屋を設け出格子窓があります。

 木小屋と塀は、西国街道に面して、長屋門から北へ屋敷境まで延びています。塀は腰板壁上部漆喰壁で、小規模な桟瓦葺を連ねます。木小屋は東北隅に東西棟で建ち、屋根は桟瓦葺で、街道に面した東を小規模な入母屋造(いりもやづく)りとし、腰板張り漆喰壁として穀蔵、長屋門と一体として伝統的な街道景観を伝えています。

平成20年(2008年)4月18日に国の登録有形文化財(建造物)に指定されています。

所在地

上植野町下川原

所有者・管理者

個人

地図情報

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