トンチの団兵衛さん

更新日:2021年1月25日

トンチの団兵衛さん

文禄元年(西暦1592年)、文禄の役の頃、時の太閤・豊臣秀吉は全国の諸大名に朝鮮出陣を命令しました。

10数万人の軍団が西国街道を抜けようとしていました。
その時、乙訓郡島ノ町の街道沿いに住む農民・団兵衛さんに思わぬ幸運が転がり込んだのでした。

長い行列が途絶えた昼下がりのこと、高いひづめの音がしたかと思うと、庭先に一人の武士が駆け込んできました。

「太閤殿下がのどが渇いたと申しておられる。即刻、お茶を用意せい」

団兵衛さんがあわてて用意したところへ、家来に囲まれた太閤があらわれ、向日神社の方を指さしてたずねました。

「つかぬことを聞くが、あの森は何という森か」

名前などあろうはずがないのに、村でもトンチの名人で知られた団兵衛さんは、すかさず「はい、あれは勝山の森と申します」

勝山と聞いて、「イクサの前に、イキなことを言う男よ。こいつは縁起がいい」

太閤は、破顔一笑し、持っていた金の軍配と屋敷1丁、それに自分の出身地である尾張国愛知郡中村の中村という姓を団兵衛さんに与えて去りました。
この後、その森を勝山の森と呼ぶようになりました。団兵衛さんの屋敷は明治35年頃まであったそうです。
(写真は、中村団兵衛の屋敷があった場所です。)

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