更新日:2021年6月28日
向日市立図書館に約1,500点に及ぶ椿に関するコレクションを寄贈された渡邊武氏は、日中医薬研究会会長として日中の友好交流と伝統医薬学の発展に力を尽くされてきました。平成4年、5年には、中国仲景国医大学と陜西中医学院から名誉教授の称号が贈られました。
また、渡邊氏は専門の薬学研究のかたわら、日本列島をくまなく歩かれ椿の原生地、巨椿、銘椿を訪ね椿の研究にも造詣が深かったことで知られています。渡邊氏が、約50年かけて収集されたコレクションの内容は、書、絵画、陶磁器、染色等の美術品が多く、椿を描いた色紙、短冊、軸物、茶碗、壺、皿、着物等があります。また、椿材で作られた民芸品、茶道具、玩具類も数多く見られることも特筆すべき点です。
これら数々のコレクションは、渡邊氏が自ら収集されたというより薬を通じ、椿を介して知り合った各界著名人との交友等によって形成されたものと言ってよいでしょう。
大正2年 | 京都市に生まれる |
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昭和10年 | 京都薬学専門学校(現京都薬科大学)卒業 |
昭和14年 | 東京帝国大学(現東京大学)医学部薬学科選科修了 |
昭和16年 | 武田薬品工業株式会社研究所入社 |
昭和22年 | 厚生省第六改正・第七改正日本薬局方制定委員会委員(昭和37年まで) 日本生薬学会常任幹事選任評議員 |
昭和23年 | 宮内庁より正倉院薬物調査を委嘱される(昭和28年まで) |
昭和29年 | 嵯峨清涼寺釈迦如来像胎内五臓調査を委嘱(京都大学) |
昭和31年 | 薬学博士 学位記 京都大学医学部 |
昭和40年 | 宮内庁より正倉院香薬調査を委嘱される |
昭和42年 | 武田薬品工業株式会社研究所を定年退社 |
昭和47年 | 厚生省一般漢方製剤承認審査の日本製薬団体連合会漢方専門委員会委員(昭和49年まで) |
昭和52年 | 日中医薬研究会会長 日本漢方交流会顧問 |
昭和62年 | 西日本医師アカデミー名誉会員 鑑真和尚生誕1300年記念薬草園建設に参画(唐招提寺) 医薬調剤古抄の調査を委嘱される(法隆寺) |
昭和63年 | 加悦町「千年ツバキ」の鑑定 |
平成3年 | 日本つばき協会 名誉会員 |
平成5年 | 中国 仲景国医大学名誉教授 聘任 中国 陝西中医学院名誉教授 聘任 |
平成6年 | 向日市立図書館へ椿に関する美術工芸品など約1,500点を寄贈(渡邊武コレクション) |
平成7年 | 紺綬褒章受章 |
平成9年 | 日本つばき協会京都千年ツバキの里支部(加悦支部)顧問 |
平成16年2月11日 | 逝去、享年90歳 |
平成5年4月 ~平成6年10月 |
向日市へ椿に関する美術工芸品など約1,500点を寄贈 |
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平成6年4月 | 「渡邊武コレクション」常設展示の開始 渡邊武氏を通じて、文筆家岡部伊都子さんが椿を寄贈 |
平成7年1月 | 向日市立図書館10周年記念特別展「椿尽くし」 記念講演「椿つれづれ-私のコレクション50年史」 渡邊武コレクション図録の作成 |
平成12年1月 | 向日市立図書館開館15周年記念特別展「つらつら椿」 記念講演「日本文化と椿」 |
平成17年2月 | 向日市立図書館開館20周年記念特別展 「渡邊武追悼展・椿の文化財」 |
平成22年2月 | 向日市立図書館開館25周年記念特別展 「『椿の意匠』-渡邊武コレクション-」 |
平成24年10月 | 市制施行40周年記念展覧会 「渡邊コレクションと木村吉太郎・伊藤八龍作品展-図書館・文化資料館所蔵美術作品展」 |
平成26年11月 | 向日市立図書館・文化資料館開館30周年記念特別展 「昭和の向日町と文人」 |
主な作品
主な作品
主な作品
主な作品
主な作品
主な作品
主な図書
図書の一部は、2階参考図書室で閲覧ができます。
渡邊武コレクションの中からテーマを決め、2か月毎に内容を入れ替え、1階カウンター前で、展示しています。