本文
高齢者の帯状疱疹定期予防接種
帯状疱疹とは
帯状疱疹は、水痘(みずぼうそう)と同じウイルスが原因で起こる皮膚疾患です。水痘が治癒した後もウイルスが神経に潜伏し、免疫低下や加齢に伴い、ウイルスが再び活性化することによって発症します。
皮膚症状の特徴として、皮膚に分布している神経に沿って、水疱が帯状に出現します。通常、皮膚症状の出現2〜3日前からかゆみや痛みが出現し、初期は皮膚が赤く腫れます。1週間程度経過すると、水疱が多発するようになり、発熱、頭痛、リンパ節腫脹などの症状も出現する場合があります。通常、2週間から4週間で水疱が破れてかさぶたになり、皮膚症状が正常に戻ります。
合併症として、最も一般的な症状は 『帯状疱疹後神経痛』と呼ばれる長期の神経痛です。この神経痛は、3か月以上続く疼痛で、帯状疱疹患者の10%から50%に出現し、高齢になるほど多くみられます。
定期接種対象者
(1)令和7年度中に、65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳以上になる方で帯状疱疹の予防接種を希望する市民。
(2)60~64歳でヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方で、帯状疱疹の予防接種を希望する市民
年齢区分 | 生年月日 |
---|---|
65歳 | 昭和35年4月2日〜昭和36年4月1日生 |
70歳 | 昭和30年4月2日〜昭和31年4月1日生 |
75歳 | 昭和25年4月2日〜昭和26年4月1日生 |
80歳 | 昭和20年4月2日〜昭和21年4月1日生 |
85歳 | 昭和15年4月2日〜昭和16年4月1日生 |
90歳 | 昭和10年4月2日〜昭和11年4月1日生 |
95歳 | 昭和 5年4月2日〜昭和 6年4月1日生 |
100歳以上 | 大正14年4月1日 以前にお生まれの方 |
(注意)対象者には、令和7年5月下旬に接種券を郵送しています。
(注意)令和7年度対象者の方が定期接種で接種できるのは今年度限りです。
(注意)過去に帯状疱疹ワクチンを接種した方、帯状疱疹ワクチン費用助成制度を利用された方は対象外です。
なお、定期接種において帯状疱疹ワクチンが接種できるのは、生涯1度(定められた規定回数)のみです。
自己負担金
生ワクチン(阪大微研) | 組換え(不活化)ワクチン(GSK社) | |
自己負担金 | 4000円 | 10000円(1回あたり) |
接種回数 | 1回 | 2回 |
免除制度あり
実施期間
令和7年6月1日~令和8年3月31日
実施方法
乙訓(長岡京市・向日市・大山崎町)の委託医療機関で接種を希望する人
(1)自己負担金を支払って受ける方
事前手続きは不要です。直接委託医療機関に予約し、郵送した「高齢者帯状疱疹予防接種のお知らせ(接種券)」をお持ちの上、受けてください。
(2)市民税非課税世帯、生活保護世帯の方
本人確認ができる書類(マイナンバーカード、運転免許証など)をお持ちの上、事前に健康推進課で「保健事業等自己負担金無料カード」の発行を受けてください。向日市、長岡京市、大山崎町の委託医療機関で予防接種を受ける場合、このカードを窓口で提示すると無料で受けることができます。
(注意)予診票は、委託医療機関の窓口にあります。
乙訓(向日市、長岡京市、大山崎町)以外の京都府内の委託医療機関で接種する方
予防接種を受けられる前に申請が必要です。
通知した予防接種券と、本人確認ができる書類(マイナンバーカード、運転免許証など)をお持ちの上、事前に健康推進課で「高齢者の帯状疱疹予防接種予診票」の発行を受けてください。市民税非課税世帯、生活保護世帯の方には、無料用の予診票を発行します。
(注意)委託医療機関は京都府内全域にあります。詳しくは、健康推進課にお問い合わせください。
京都府以外の医療機関(委託医療機関以外)で接種を希望する方へ
長期入院中などにより、京都府内の委託医療機関で予防接種を受けることが困難な場合、依頼書の発行が必要になります。住所・氏名・生年月日が確認できるもの(マイナンバーカード、運転免許証など)と通知した予防接種券を持って、健康推進課へお越しください。
※依頼書の発行には2週間程度かかります。
帯状疱疹ワクチンについて
帯状疱疹ワクチンには生ワクチン(阪大微研:乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」)、組換え(不活化)ワクチン(GSK社:シングリックス)の2種類があり、接種回数や接種方法、接種スケジュール、接種条件、効果とその持続期間、副反応などの特徴が異なっていますが、いずれのワクチンも、帯状疱疹やその合併症に対する予防効果が認められています。
帯状疱疹ワクチンの種類
生ワクチン(阪大微研) |
組換え(不活化)ワクチン (GSK社) |
|
接種回数 | 1回(皮下に接種) | 2回(筋肉内に接種) |
接種スケジュール | ー |
通常、2か月以上の間隔を置いて2回接種 ※病気や治療により、免疫の機能が低下したまたは低下する可能性がある方等は、医師が早期の接種が必要と判断した場合、 接種間隔を1か月まで短縮できます。 |
接種できない方 | 病気や治療によって、免疫が低下している方は接種できません。 | 免疫の状態に関わらず接種可能です。 |
接種に注意が必要な方 | 輸血やガンマグロブリンの注射を受けた方は治療後3か月以上、大量ガンマグロブリン療法を受けた方は治療後6か月以上置いて接種してください。 | 筋肉内に接種をするため、 血小板減少症や凝固障害を有する方、 抗凝固療法を実施されている方は 注意が必要です。 |
その他に、接種前に発熱を呈している方、重篤な急性疾患に罹っている方、それぞれの予防接種の接種液の成分によってアナフィラキシーを呈したことが明らかな方等はいずれのワクチンも接種出来ません。
また、心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患等の基礎疾患を有する方、予防接種を受けて2日以内に発熱や全身の発疹などのアレルギー症状があった方、けいれんを起こしたことがある方、免疫不全と診断されている方や、近親者に先天性免疫不全症の方がいる方、帯状疱疹ワクチンの成分に対してアレルギーを起こすおそれのある方等はいずれのワクチンについても接種に注意が必要です。
帯状疱疹ワクチンの効果
生ワクチン (阪大微研) |
組換え(不活化)ワクチン (GSK社) |
||
帯状疱疹の対するワクチンの効果 |
接種後1年時点 | 6割程度の予防効果 | 9割以上の予防効果 |
接種後5年時点 | 4割程度の予防効果 | 9割以上の予防効果 | |
接種後10年時点 | ー | 7割以上の予防効果 |
(注意)合併症の一つである、帯状疱疹後神経痛に対するワクチン効果は、接種後3年時点で、生ワクチンは6割程度、組換えワクチンは9割以上と報告されています。
帯状疱疹ワクチンの安全性
ワクチンを接種後に以下のような副反応がみられることがあります。また、頻度は不明ですが、生ワクチンについては、アナフィラキシー、血小板減少性紫斑病、無菌性髄膜炎が、組換え(不活化)ワクチンについては、ショック、アナフィラキシーがみられることがあります。接種後に気になる症状を認めた場合は、接種した医療機関へお問い合わせください。
健康被害が起こった場合は、予防接種健康被害救済制度があります。
主な副反応の発現割合 |
生ワクチン (阪大微研) |
組換え(不活化)ワクチン (GSK社) |
70%以上 | ー | 疼痛 |
30%以上 | 発赤 | 発赤、筋肉痛、疲労 |
10%以上 | そう痒感、熱感、腫脹、疼痛、硬結 | 頭痛、腫脹、悪寒、発熱、胃腸症状 |
1%以上 | 発疹、倦怠感 | そう痒感、倦怠感、その他の疼痛 |
他のワクチンとの接種間隔
いずれの帯状疱疹ワクチンについても、医師が特に必要と認めた場合は、インフルエンザワクチンや新型コロナワクチン、高齢者肺炎球菌ワクチン等の他のワクチンと同時接種が可能です。
ただし、生ワクチン(阪大微研)については、他の生ワクチンと27日以上の間隔を置いて接種してください。