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第17回中学生弁論大会:受賞者一覧・弁論内容

更新日:2021年12月8日

受賞者一覧

学校名 氏名
市長賞 勝山中学校 土肥 柚月
教育長賞 寺戸中学校 香山 日咲
優秀賞 西ノ岡中学校 中塚 菜々美

 

弁論内容

市長賞「笑顔の花咲く世界へ」 土肥 柚月(勝山中学3年生)

土肥柚月(勝山中学3年生)

お腹一杯食べられる十分な食事やきれいな水、温かいお風呂。私たちが何不自由なく生活する中、世界のどこかで、誰かがお腹をすかせ、また違う誰かが命を落としています。この世に生まれてすぐ、将来が限定されたり、あるはずの可能性がなくなってしまうのは、おかしい。だから、その現状を変えなければなりません。このカギとなるのは、私たちの心の持ち方一つではないでしょうか。

世界には様々な理由による紛争が起こっています。また、日本のような先進国が、もっと便利でもっと新しく、もっと安い商品を求める社会の影響で、途上国の人々は、環境破壊や不平等な労働条件に苦しんでいます。そんな紛争や先進国の豊かさの犠牲となり、学校に通えない子どもたちがたくさんいます。しかし、学校で学ぶことは、私たち子どもが将来仕事に就き収入を得るため、また様々な危険を避けるためにも重要です。だから、途上国の子どもを支援するために活動している団体があります。

昨年の秋私たちは、あるNPOの代表、野田さんから、フィリピンの貧困地域の現状やその支援活動について、体験を交えたお話を 聞く機会がありました。私たちはフィリピンの人達を貧しさから救うために、足りないモノやお金をたくさん送れば助けになると思いがちです。しかし、モノやお金を送るだけでは本当の支援にはならないのです。フィリピンの人達の「心を支える」ことこそが、この貧困問題を解決する第一歩になるのです。そして、日々の豊かさがどこからくるのか、自分の行動で誰かが犠牲になっていないか、深く考え、責任を持つことが大事だと知りました。

私たちにもできる支援の方法である、書き損じ葉書の回収を教えていただき、さっそく、生徒会本部が中心となって、手作りの回収ボックスを作成し、全教室に設置しました。全校生徒の協力で、はがき420枚と切手が集まり、現地の子ども一人、一年間小学校に通うことができるようになりました。

また理科部と協力して、エコキャップ運動も実施し、ワクチンの寄付ができました。

一枚の葉書、ひとつのキャップから始まった活動ですが、思ってもみない成果となり、現地の人とつながれた気持ちになれました。一緒に解決へと向かって進むことが、「心を支える」 ことになるのだと実感できました。

今この瞬間も、苦しい状況で生きている人がいます。そんな場所に住む人の中に、顔も知らない私たちに期待して、未来を見ている人が少しでもいるのなら、その期待に応えたいと思うのです。苦しい現状を肌で感じながらも懸命に生き、笑顔を絶やさない途上国の人々。さらによい世界にするため、平和な未来をつかむために、私たちは もっと ちゃんと 現実を見つめる必要があるのです。

私だけじゃなく、多くの人が、誰かを救おうとする気持ちを持って、共に歩んでいくことが、世界を変える力になる。笑顔の花咲く、世界に向かって。

教育長賞「仲間との絆」 香山 日咲(寺戸中学3年生)

香山日咲(寺戸中学3年生)

みなさんは仲間に救われたと感じたことはありますか。仲間がいて良かったと思ったのはどのような瞬間ですか。

私はこの夏、吹奏楽コンクールに出場しました。私達3年生にとっては最後のコンクールです。私は、自由曲でソロを担当することになりました。ソロを任せてもらえたことはうれしかったのですが、正直なところ、うまく演奏できるかどうか不安で自信がありませんでした。でも、そんな私の演奏を、仲間は「きれいだね。」「その部分好きだな。」と言ってくれました。仲間の言葉がうれしくて、励まされました。その言葉で私は自信を持てるようになりました。コンクールでは、「金賞を取りたい。」誰もがそう思っていました。短い時間でも目標に届く良い演奏ができるよう必死でした。

しかし、やはり時間は足りませんでした。本番2週間前に先生の口から出たのは、「このままじゃ銅だよ。銀もいけるか分からない。」という言葉でした。私は絶望しました。でも、周りの仲間は変わるためにすでに動き始めていました。その姿を見て、私は、立ち止まっていてはいけない、もっと自分も変わらないといけないと思い直しました。それからは、個人で頑張ることはもちろん、違うパートと合わせて、できていない部分を指摘し合ったりしました。家で家族がアドバイスをくれ、一緒に練習してくれました。こうして仲間と共に、自分たちの力で音楽を作り上げていきました。そして、本番前日には、先生にこれなら金賞も見えてきたと言っていただきました。先生に私達の努力が認めてもらえたことが本当にうれしかったです。

本番は、初めは順調でした。練習ではなかなかあわなかった部分がきれいにそろったときは、これならきっと金賞に届く。そう思いました。しかし、私は自分のソロパートでミスをしてしまいました。今まで一度もしたことがないミスでした。私は焦って頭が真っ白になってしまいました。学校に帰ってからも落ち込んでいた私に、声をかけてくれる先輩や友達の存在がありました。それでも、私は、結果が分かるまで気が気ではありませんでした。先生から伝えられた結果は金賞。私は、嬉しさと安心感で涙が出ました。このとき私は、たくさんの人に支えられていることを実感しました。

私にとってコンクールまでの1ヶ月間はとても苦しいものでした。でも、仲間の大切さに気付いた一ヶ月でもありました。あきらめてしまいそうなとき、必死で努力をしているとき、失敗してくじけそうなとき、どんなときも仲間は支えてくれました。仲間は勇気や希望をくれ、夢を一緒に追いかけてくれます。だから私も、自分の周りにいる友達や家族という大切な人たちを自分にできる方法で大事にしたい。自分にしかできない方法で支えていきたい。そう思います。

優秀賞「出会えてよかった人」 中塚 菜々美(西ノ岡中学2年生)

中塚菜々美(西ノ岡中学2年生)

今年の9月に祖父が亡くなりました。それは突然の事でした。

祖父母の家は自宅から近いので一週間に一回程度は会いに行きます。亡くなる一週間前まで祖父はいつも通り元気でした。ところが、急に発熱し、体調を崩しました。そして、病院に入院することになりました。祖父は今まで何度か入院したことがあり、そのたびに元気になって帰ってきたので、まさか今回の入院が最期になるとは思いもしていませんでした。今回の入院は、コロナで面会制限があったため、私は祖父に会いに行くことができませんでしたが、祖母と父と叔母だけが病院にいる祖父に会うことができました。私は直接会うことができないので、ビデオ通話をして祖父の顔を見ました。画面に映った祖父は今まで見たことのない姿でした。いつも元気な祖父が弱っているとは思いもしませんでした。祖父は自分で呼吸ができない状態で、話すことも難しそうでした。絶対に苦しいはずなのに私に向けて手を振ってくれました。それは、私にとって忘れられない思い出となりました。その日、医師から「よくもって残り一週間。」と伝えられました。

医師に余命を伝えられた次の日、祖父は亡くなりました。家族や親戚は祖父が亡くなる時、誰も立ち会うことができませんでした。祖母は私にこう話してくれました。

「昨夜ななちゃんと話せたからおじいちゃんは満足したんだよ。おじいちゃんは見栄っ張りだから死ぬところを誰にも見せたくなかったんだよ。」と。

祖父は四年前に血液の病気になりました。その時、余命1年半と言われたそうです。でも、祖父は発病から今年の9月まで4年間も生きたのです。

祖父は晩年まで農業を行っていました。向日市の特産品である筍やナスなどの野菜を育てていました。私も春休みになると一緒に筍掘りを手伝います。今年は祖父に筍の掘り方を初めて教えてもらいました。私にはまだまだ難しいですが、祖父はどんなに大きな筍も上手に掘ることができます。祖父が今まで愛情を込めて育ててきた筍を残された家族みんなで協力して受け継いでいきたいと思います。そして、向日市の特産品である美味しい筍をたくさんの人に食べていただきたいです。他にも祖父は向日市祭りや向日神社などの行事にも参加していました。祖父が向日市の行事などに参加していたのは、人との繋がりを大切にしていたからだと思います。私も祖父のように、人との出会いや繋がりを大切にし、地域を活性化する取組に参加したいと思います。まずは、祖父に教えてもらったことを思い出して自分に何が出来るのか、考えるところから始めたいと思います。

出逢えてよかった人、それは私の大好きな祖父です。

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